剣岳にて。フリークライミングの経験が役立つ
フリークライミングの世界
壁というものがある。こいつ絶対に思想なんぞではない。堅固な物質でできている現実の壁です。何のために、壁はあるのか。すくなくとも、空間を仕切るためのものであるわけがない。この狭い地上を、なにゆえにまたこまかく仕切って、光の通路をふさぐ必要があるのですか。それでも、壁がげんに空間を仕切っているという事実はどうにもならない。長いあいだ、壁は人間の運動にとってずいぶん不便な、不届きなものでした。というのは、位置の固定、すなわち精神の死であったからです。ひとが遠くから一目散に駆けて来て、どしんと壁にぶつかって、そこで首の骨を折る。やれやれ、何と阿呆のまねか。この壁にむかって、人間はどうしたらばよかったのか。あきらめる。馬鹿な。人生には絶対にあきらめるということは無い。下等ですね。壁をぶっこぬいて風穴をあける。さあ、諸君の無鉄砲にも係らず、どうも壁のほうが諸君の拳よりも強いようです。ぶっこぬけないものが壁ですよ。首の代りに手をくじく。野蛮ですね。(石川淳『壁』<安部公房>への序より)
1、Why don't you "FREE CLIMBING"?
クライミングにもいろいろあります。リュックかついでの登山。最近よく耳にする沢登り。雪山登山。アイスクライミング(恐ろしそう!)。アルパインクライミング。等々。
2、クライミングはどこで?
こんな話題を持ち出したのも、実はこの地(甲陽学院高等学校)がとても恵まれたロケーションにあるからです。
高校から5分ほど少し歩いて上にあがると、そこは関西有数のボルダリング・スポット、北山公園(北山緑化公園)があります。公園内の奥にはたくさんの小さな岩が散在しています。この北山公園で遊ばない手はありません。
学校の帰りにちらっと立ち寄るだけで楽しめます。ときには緑の中で岩の上にねそべって空を眺めるのもよいものです。
3、フリークライミングは……
・目標が明確である。(より高くのぼればよい)
これを読んだら、明日からでもすぐできます。さあ、みなさん、いっしょにFREE CLIMBINGやってみませんか!
テントやら食糧(酒を含む)やら重い荷物をかついで、たくさんの仰々しい装備で山に向かうだけがクライミングではありません(それはそれでとても面白いのですが)。手軽な装備で、雨が降れば室内でもできるクライミング、フリークライミングというのもあるのです。
フリークライミングとは、エイドクライミング(人工登攀)に対して、フリーで、つまり道具を使わないでするクライミングをいいます。もちろん、ロープとかロープを固定するカラビナ・プロテクション・ハーネスなどの、フォール(墜落)の際の安全を確保する道具や、専用の滑りにくいクライミングシューズや、滑り止めのチョークなどは使います。道具を使わないというのは、岩にじかに接して自分の手と足(と頭)を使って自力で登るということです。
北山公園にはこんな岩がたくさんあり、手軽にボルダリングを楽しむことが出来る
※ボルダリング…飛び降りることが可能な大きさ(数メートル)の岩を登ること。
ここに限らず、六甲山系にはいくつも岩場があります。日曜日ともなると、老若男女を問わず、多くのクライマーたちが、あちこちの岩場に取り付いています。
楽しむのは自然の岩場だけではありません。人工的に作った壁(人工壁)もあります。この界隈では、王子公園の神戸登山研修所、モンベルクラブ六甲店(いずれも有料)、その他、高校の山岳部で校内に壁を作っているところもいくつかあります。
甲陽学院高校の中には作ったらだめでしょうか?校長先生。
人工壁。オーバーハングは、腕の力に頼ると全然登れない(某県立N宮高校にて)
・自分に合った課題を設定できる。(絶対こんなの登れないと最初おもった課題を克服する面白さがある)
・上へ上へと登りたい、人間の本能?を満足させる。
・クライミングシューズがあればとりあえず始められる。
・腕力よりも、タクティクス。(力技ではありません)
・落ちても安全。
・少しの時間で効率的に練習できる。
・一人でもできる。
・知的。
・競技人口がまだ少ないので何かとやりやすい。
・大会に出て入賞する確率も高い。(ちなみに、高校の山岳部では、県大会、近畿大会まで、スポートクライミングの大会があります。また、来年より、国体の少年の部の正式競技にもなるということです)
・他のクライミング(普通の登山やアイスクライミングなど)の基礎技術になる。
・登った後のビールがうまい。(20歳以上!)
・緊急時に役立つ。(どんな時?)
・肩こりによい。(真偽のほどは不明)
・美容によい。(上に同じ)
剣岳。大自然と向い合うのが登山の醍醐味